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井の頭の家

所在地   東京都三鷹市

完成    2022年

構造/用途 木造/戸建住宅

工事種別  改修

床面積   147.9㎡

設計    秋山槙之介建築事務所

構造    筬島建築構造設計事務所

​施工    田工房

写真    秋山槙之介

元々この地にお住いのクライアントからの改修計画の依頼である。

ご親族が所有していた土地建物を譲り受ける形で今の暮らしに合わせて全体を改修することを望まれた。

​既存の家屋は築60年ほどの木造家屋であるため、残された図面資料も無く、何度か増改築されたタイミングで記録された既存図をベースに計画を進めていくと、基礎の形状に不安があることがわかり、基礎の補強工事、耐震改修的な側面も取り入れながら意匠をまとめることとなった。


いわゆる耐震改修工事となると、耐震性を高めるために効率よく補強を施すことに終始してしまうため意匠性が疎かになりかねないので、選定する材料を手に入りやすい素朴なものを積極的に採用し、丁寧に扱うことで、コストを抑えながら品の良い空間に仕上げることを目指した。

 

既存の間取りでは北側が光も入らず、風の抜けも悪いためどんよりとしていた。クライアントからの要望の中でも最も優先度が高かったのが、家全体に光が回り、風通しの良い家にすることであった。

建物南側は採光条件は良かったが、雑木が生茂ってスペースを生かせていないと感じたため既存の庭を整理し、内装のトーンに合わせたテラスに作り変えることとした。そのテラスとつながるようにLDKを配置することから家族の居場所の輪郭を決めていった。

既存の柱位置と極力干渉しないよう設計をまとめたつもりではあるが、いざ解体をしてみるとやはり間引くことのできない構造上重要な役割を持った柱があり、空間に現れることになった。だが、かえってそれがその場所の特徴になるとともに、受け継いだ家の記憶として実感できるものになったと思う。

2階は若干スペースを持て余していたため、一部床を抜き、吹抜けを2箇所設けた。1つはリビングの南側に設け、2階レベルの開口部から1階まで降り注ぐように陽光が差すようになり、リビングの居住性が上がったかと思う。もう1つは洗面脱衣室の上部に設けた。こちらにはウインチと滑車を利用したオリジナルの昇降式物干しを製作し、洗濯物を干してウインチを回して2階まで上げて邪魔にならない場所かつ陽のあたる場所での物干しを可能にした。さらに、この吹抜けに面する2階の部屋は主寝室、クローゼットルームになっており、乾いた衣類をそのまま回収してクローゼットまで運べるため、家事動線の短縮にも一役買っている。


想定外の雨漏れや構造補強など改修工事にはよくあることではあるが、進行しながらのコスト調整はなかなか難しい部分もある。しかし素朴な素材を適材適所採用することで意匠デザインと耐震補強がお互いに邪魔し合うことなくまとめられたかと思う。

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