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目黒のプレスルーム

国内外の様々なアパレルブランドのPR業務を請負う会社のプレスルーム内装計画である。

物件探しから同行させてもらい、いくつか巡る中で視線が抜け、風が気持ちよく流れるこの物件で内装計画を進めることになった。

主な要望としては、バックヤードの充実と閉塞感が出ないよう天井を高くすること、ハンガー掛けとたたむものの割合は変動するため可変できるような什器の仕組みを考えることであった。

手数少なくも物件のポテンシャルを引き立たせることを狙い、整形の専有部分に素材感のある箱を少し斜めに振って置くことを提案した。​この箱が空間に表(プレスルーム)と裏(バックヤード、事務所)を生み出し、プレスルームの骨格となっている。

箱をくり抜くように設けたトンネルを潜って出入りすることにしたのは、高さ方向の抑揚をつけることで一度「街と切り離された場所」を演出したかったのと、実際よりも天井高さを高く感じさせる狙いもあった。この操作により、当初物件内見の際に感じた風が気持ちよく流れる、外部空間のようなその場所の特性をより引き立てられたように思う。

また、什器についても「外」に見立てた場所に相応しく木の質感で構成した櫓をランダムに配置した。柱となる部分に等間隔のスリットを設け、掛けモノとたたみモノの量の変動に対応できるよう棚を抜き差し可能の納まりとなっている。これらが実現できたのも他の材料よりも比較的軽く、また手にも馴染む木材だからこそだと思っている。

櫓の主要構造部は主に土木資材で使われるバタ角材を使用、棚も合板を使用することでコストダウンを図りつつしっかりとした木の質感を感じられる面白い空間になったと思う。

ランダムに配置された櫓の柱が自然の中の樹木を想起させ、気持ち良い風を感じながら散策するように目当ての商材を見つけていただければ幸いである。

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所在地   東京都目黒区

完成    2021年

構造/用途 RC造/事務所

工事種別  改修

床面積   107.24㎡

設計    秋山槙之介建築事務所

​施工    サトー企画

写真    秋山槙之介

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